イントロダクションイントロダクション

いつも失敗ばかりで空回りの毎日を送るアナウンサー・谷口正義が、偶然拾ったガラス板によりヒーロー「Mr.マックスマン」へと変身し、さまざまな事件を解決していく。そんなある日、15年前に交通事故死した父・真一郎の死がただの事故ではなかったことを知り、犯人を突き止めることを誓う正義。突然手にした謎の力に翻弄されながらも強く、強く、立ち向かっていく−−−−。
しかしアナウンサー生命がかかった生放送の日、正義に最大のピンチが訪れる。迫り来るテロの脅威の中、思いを寄せる幼なじみの辻村祐子が何者かにさらわれてしまったのだ。果たして史上最弱のスーパーヒーローは、ヒロインを救い出し、敵に打ち勝つことができるのだろうか?

確立された新たなヒーローのカタチ

ヒーローといえば無敵で頼りがいのあるキャラクター設定が定番であったが、本作では、勉強もスポーツもダメ、そのうえ恋愛下手な主人公・谷口正義が、ヒーロー・Mr.マックスマンとして敵に立ち向かう姿を描いている。誰もが夢見るヒーローのイメージを覆し、人間味あふれる新たなヒーロー像を確立したのがこの「Mr.マックスマン」だ。使いこなせないほど強力な力を得た正義は、祐子への恋心やアナウンサー生命の危機に戸惑うも、父・真一郎を殺した犯人を追いながら、やがて本物のスーパーヒーローへ成長していく。気弱な性格の正義だが、物語の要所要所で内に秘められた強い心を垣間みることもできる。失敗する度、口グセの「絶体絶命大好物!」という台詞で自身を奮い立たせる彼の姿に、背中を押される人も多いのではないだろうか。そして最大のピンチを迎えた正義は、本来持っていた力が覚醒し、未完成の状態から完全なるスーパーヒーローへと進化を遂げる。その起爆剤となるのが、家族とヒロインへの愛。真一郎を殺した犯人と対峙するクライマックスシーンでは、誰かのことを本気で想ったとき、人間が発揮する底知れぬ力を目の当たりにすることだろう。

特撮プロたちが描き出す
「新・ヒーロー」の世界観

主人公の谷口正義を演じるのは、特撮ヒーロー物でデビューし、近年はさまざまな話題作品の常連となっている若手俳優・千葉雄大。正義が密かに思いを寄せるヒロイン・辻村祐子にはCMやドラマでも活躍するモデルで女優の山本美月と、本作ではいま注目のフレッシュな二人が描く、不器用な恋模様にも目が離せない。その他にも正義の母親・谷口薫子役の鈴木杏樹、父親の真一郎を演じる要潤をはじめとし、田辺誠一、ロンドンブーツ1号2号の田村亮、なだぎ武、髙田延彦など、ベテラン勢から芸人まで、個性豊かなキャスト陣が脇を固めている。そんな中、黒幕として登場する大和田伸也が各場面でその存在感を見せつけており、千葉雄大演じる正義とはじめて対面するシーンでは、強気な面を見せる正義を圧倒し、ストーリーの第一転機にふさわしい空気を醸し出す。窮地に立たされながら奮闘する正義の姿と、一見アンバランスなメンバーが織りなす絶妙な一体感で、大人も子供も楽しめるテンポのよいヒーロー作品に仕上がっている。また特撮ヒーロー出身者が多く出演している本作。ドラマでの活躍も目覚ましい永瀬匡が主人公の恋のライバル(?)・西島文夫を演じ、舞台で身につけた実力を発揮し多数の映像作品にも出演する久保田悠来、舞台「テニスの王子様」でも知られる青木玄徳など、それぞれがいままでのヒーロー作品とは異なる役どころを、どのように演じているかにも要注目だ。そしてスタッフも日本最高の特撮スタッフが集結。「ヒーロー」というジャンルを家族愛とヒーローらしからぬ片思いという設定と共に描き出した世界観は、現代を生きる誰もが引き込まれ、子供から大人まで幅広い世代の共感を生むに違いない。

夢と共感にあふれる
「Mr.マックスマン」

緊迫するシーンも、どこか気の抜けた正義のキャラクターは見ている者に安心感を与え、時にその純朴な姿に思わず笑ってしまう場面も。自分も誰かのヒーローになれるかも−−−。世代を問わず、そんな夢を与えてくれる「Mr.マックスマン」。史上最弱のヒーローが立ち向かうその姿を、ぜひ暖かく見守ってほしい。